tapanta

考えたこと、詩、などを書く。

愛と恋のかんたんな裁き方

 恋は"禁欲"によってしか正当化されない。純粋な恋などという矛盾した言い方によってしか正当化されない。それはあまりに露骨なエゴイスムに基づいているからだ。それはエゴイズムを隠したところになお恋があるという嘘の言い方に誠実さなるものを見出す甘さによってしか正当化されえないものだ。
 愛はどうだろう?我が子に抱くような愛。それも恋ほど露骨ではないが、エゴイズムに由来することを隠し切れない。でも愛にはひとつの言い分がある。「私は奉仕している」という切り札がある。奉仕は愛が持つ越権だ。無償の行為は、一見エゴイズムに反しているからだ。だからそうやって力づくの行為で、矛盾を見かけ上突破することができるという強みを愛は持っている。
 だから恋と愛の問題はこの単純極まりない言い方でエゴイズムというものの問題へ移行する。