tapanta

考えたこと、詩、などを書く。

身体を語ること

催眠とはなにか、トランスとは何かと問われたとき、僕は「催眠とは身体を語られること」だと答える。催眠とは、自分自身というもの、自分自身と見なすものにおける断層の発見であり、自分自身だと信じているものを他者に明け渡し、真に自分自身であるものへ没入することだ。五感からの断絶が眠りの性質を構成しているなら、本来睡眠こそ、擬似的な催眠だとみなすことができる。そこでは自分だと信じているものから切り離されはするが、手綱を離そうとはしないからである。死は味気ない。死は神秘でもなんでもない。自分自身というものこそが唯一無二の神秘に他ならない。それは自分自身だと見なしているものではない。