tapanta

考えたこと、詩、などを書く。

考え

愛を囁きあうこと

ふと息を吐いた。最近ずっと何かをしていて、眠るときにもすぐ落ちてしまうから、ぼーっとする時間がなかった。ずっと暇なのにぼーっとする時間がないというのはいささか奇妙なことだ。マッサージチェアに深く腰掛け、頭の中で今取り組んでいるパズルの解法…

大人の孤独

大人になってからゲームができなくなった、と言う人がいる。 ゲームは時間の無駄だと気付いてやらなくなったという人も結構いる。 実際は、ゲームと言うのは孤独な作業であって、 その孤独に耐えられなくなったからやらなくなったのだと思う。 子供のころは…

瞑想の方法

今、瞑想というとアメリカ発祥の「マインドフルネス瞑想」が一時的流行りの域を超えて、主流になっているようである。発祥については諸説、というより諸派あり、さらに問題なことに、具体的な方法論についても人それぞれで要領を得ない。もはや、ただ「瞑想…

欲望はどれほど人間にとって本質的か

精神分析学は多く説明しているのに、どこまでも本質的な「腑に落ちなさ」を残している。光に向かって落ち続ける蛾のように、裸電球の周りを思想がぐるぐる回り続ける、奇妙な循環論法がその場で彼を捉えるのはなぜか。 * もし純粋に経済的な思考を考えられ…

想像と現実

日常生活は未決定によって彩られている。未来のことは、想像に頼るしかない。想像の可能性は「不安と期待」を同時に担っている。現実は、それが多かれ少なかれ、味気ないものであるという形で、想像を決定する。実際に手に入れるものが、いつでも想像を超え…

MBTIの16タイプ (MBTIを考える-3)

(本記事を読む前にMBTIの四基軸 (MBTIを考える - 2)を読むことを推奨します。) さて、今回はMBTIへの理解を深めるために、16タイプを簡易的に分析してみよう。ところであえて最初に述べておくが、あくまで人間はすべての型の間をあいまいに彷徨っている…

MBTIの四基軸 (MBTIを考える - 2)

今回はMBTIが人の傾向を判断する、四つの基軸を見ていこう。MBTIに興味を持った人はまず、インターネット上のテストなどを試すだろうが、いわゆるMBTIテストは自分がこう思われたいという無意識的判断が出やすく信頼に値しない。実際多くの人が誤ったMBTIタ…

MBTIとはなにか (MBTIを考える - 1)

1.前提 - タイプ論 MBTIのもととなったユングのタイプ論では、ものごとを認識したり判断するときに、人によって異なる機能を用いると考えた。ある人は、物の特徴を観察して捉え、またある人は、その印象を重視する。ある人は、感情に従って判断し、またある…

ディスコミュニケーションの徴

母語が異なる人間同士では、真のコミュニケーションは結局の所できない、というような言説があるが、それは本来の人間関係のディスコミュニケーションが強調されているだけだ。音楽や文学、あるいはカウンセリングの場を見れば、日常レベルで交わされるコミ…

僕は、

精神薬を飲んだ患者の脳波が異常な形をしていて驚いた、というツイートをついこのあいだ見た。一種のプロパガンダのようでもあり、真相は不明だが、さもありなんと僕は思った。不安を感じて当然であるという状況にあって、薬によって安楽を感じていられると…

10時間たっぷり寝て、午前0時ごろ起き出した。 今取り組んでいる英語の勉強をしようと思ったが、今ひとつやる気が出ず。 ネットサーフィンをしたあと、シャワーを浴び、 そのあと、ふと、このブログを読み返していた。 このブログには2017年、201…

不完全な発話

発話が意図されたとき、 それは不完全なものとして彷徨う、 意味が決定されることを望み、 しかし決定されることがない 意図がぽっかりと浮かんでいる。 意味がないのに、意図があるなら 当然意図へ向かわなければならない 意図だけが発話の真実たりえるのだ…

願望とはなにか

原始仏教の論理は、それが正確に捉えられるのであれば、願望を否定する論理である。 同時に、その定義による限り、世俗の論理とは、願望の論理である。 願望とはなにか、その出自は文法的可能性にある。 人間が生きている世界とは、文法的に、烏は黒いという…

願望は人を引き付ける

祖母が死んだ。祖母とはほぼ関係がなかった。人が死ぬときには、誰が死んだときでも、いつでも同じ響きを、つまり、この'虚しさ'、"行為の虚しさ"を、響かせる!ニーチェの永劫回帰は、自分の行為が価値あるものであってほしいという願望の究極的な表現だと…

中央集権という幻想

ぼーっと考えていたのは中央集権のことだった。 もし中央が完全に支配できるなら最高の構造だ。 でもその目は細部へ行き届かないから地方を頼ることになる。 中央集権というのはいわば派遣の政治なのだ。 小から大へズームアウトしていったとき、 どうして国…

葛藤というモード

父親が、しんどい、しんどいと口癖のように言うようになった。自分は精神の病気だから、しんどい、でもやらないといけないと分かっているから、葛藤している、と言っている。これはとても面白い茶番だと思う。 やるべき対象である行為、それそのものは「すべ…

心よりのどうでもよさ

しばらくの間、深い考え事をしていない。なんとなく、あれもこれも、どうでもよい、という気分になっている。そのあたりのことを、しかし書いておかなければいけないと思うので、音楽でも聴きながらぼんやり書いてみる。 二年前にこのブログで取り上げた、無…

マゾヒズム再考

気が付けば3月10日だ。春の匂いをかぐと、不思議に昔起こったいろいろなことを思い出す。ふと部屋を出て見ると、いつもとは違う場所で猫がくつろいでいた。暖かくなると、いろいろな場所でくつろぐようになる。冬には暖が取れる限られた場所でしかくつろ…

からっぽ

僕は日記をつけたいなあ、と長らく思いながら、ほとんどつけていない。そもそも金もないし、働いてもいないから、一日中家にいて、せいぜいYoutubeを見たり何かの勉強だの練習だのをしているだけだ。昔は考えることもよくあったから、内面的なことをひたすら…

精神医療における「焦らず、ゆっくり」とは何なのか

賢さとは予測ができるということ、愚かさとは予測ができないということ、人間は未来を完全に予測することはできないから、愚かさを免れることはできない。 * 父親が二年前から自分は鬱だと言い精神科に通い、仕事をやめ、いまだに鬱だと言い張っている。病…

美しいもの

美しいものは、美しくない。 でも、美しくないことを知ろうという意欲よりも、 美しいものがあるということを信じたい、 という欲望のほうが大きいから、 常に必ず、何かは美しい。

精神に性別など存在しない

ある特定の態勢に対する性同一性障害などという名付け方は、精神に性別があるという前提で語られているけれど、精神には性差はない。身体の性差という特徴が、関係的に精神を形作る過程で、性別意識が生まれてくるのだから、精神的な男性とか、女性という慣…

存在の無根拠性

変態性というのは本質的に性欲というものへの困惑から来ています。人間にとっては正常な性行為ですら、実の所変態です。衆目の面前で性行為する人がいなかったり、動物園で行為を見て気まずい雰囲気になったりすることを考えてみてください。性欲はほかの欲…

それは価値あるものではない

日常生活は仮の価値を措定してようやく営まれる。あれが価値だ、それが価値だ、という形で溢れる広告が自己宣伝を繰り替えすとき、それを資本主義の象徴と見る見方があるけれど、「どれが価値か?」という問い、より根源的に言うと、「どれかが価値である筈…

願望について

すべてが苦だという発想は、原始仏教を他の諸宗教から切り離す唯一無二の美点だと僕は思う。というのも、宗教はそれがどれだけストイックに見えたとしても、根本的に甘いものだからだ。その甘さとは何かというと、すべてが願望に根拠付けられているというこ…

宗教はクソだ

祈るために宗教が邪魔になることはあっても、助けになることはほんの少しもない。"それ"はどこまでも個人的なものであるのに、"それ"があるべき座はどこまでも集団的なものである宗教に取って代わられている。 宗教はクソだ。素晴らしい宗教などなく、キリス…

社会、執着の論理

至上のもの、至高のものといった妄想が広げる神秘的なイメージとは違い、原始仏教の示す真理への道は、世の中に無常・苦・無我を見るという非常にシンプルなものだ。 逆に、社会は次のように言う。常、楽、我と。クフ王のピラミッドのように、積み上げていけ…