tapanta

考えたこと、詩、などを書く。

2019-11-01から1ヶ月間の記事一覧

愛と恋のかんたんな裁き方

恋は"禁欲"によってしか正当化されない。純粋な恋などという矛盾した言い方によってしか正当化されない。それはあまりに露骨なエゴイスムに基づいているからだ。それはエゴイズムを隠したところになお恋があるという嘘の言い方に誠実さなるものを見出す甘さ…

口笛

遠い口笛が僕を吹いている君を吹いている薄いカーテンを揺らしている 存在しないものなのに僕は時間をじっと見る存在しないものにどうして僕らは置いてけぼりにされるんだろう まだ見ぬ今日が笑い始める僕らは滑稽だったからもし滑稽でなかったらどうして愛…

至言を求めて

喩え話から入ろう。動物が欲求で頭の中を一杯にしているように、人間は欲求と欲望で頭の中を一杯にしている。欲望。それは多種多様なものではなく、唯一のものだ。疎外からの復帰。人間は欲求、経済的水準を離れれば、常にそのことで頭を一杯にしている。 動…

女性と男性

昨日図書館でうっかり手にとった最果タヒが、自分が凡人であることについて書いていたけれど、最近僕も自分が凡人であることについて考える。昔考えていたような、自分が特別な人間でありえるという期待がどこかへ消えた。当時のそれは要するに、救いの可能…

2020年の息吹

思ったより時間が過ぎるのは早い。 あれだけ遠いと思っていた死は待っているときっと近い。 老化していくだろうと感じられていた自意識は、自分の意識として保ち続けられているから、それは安心した。 ぼくは死ぬ間際になっても今のような自分でいられるだろ…

気が遠くなった

一年半前に書いていたことや考えていたこと、を書いていたhtmlファイルが不意に見つかり、それを読みながら、気が遠くなった。たった一年。こんな水準をうろついていたのかと気が遠くなった。一年後の自分からすると、今の自分もそうなんじゃないか。気が遠…

役立たずの恋

ふっと思った。いま自分が死んでも、客観的にはそれで終わりだと。悲しむ人や喜ぶ人がいても、彼らの無知蒙昧のもとで悲しんだり喜んだりするだけだと。大勢としてはひとりの人が死んだということで終わりだと。ふっと思った。 昨日荒木経惟の「センチメンタ…

恋と労働の主題

僕が書きたいことはおおまかに三つ、「何もすることがないこと」「何かをすることが辛いこと」そして「恋」。それ以外には大して書きたいことがなくて、振り返ってみれば僕は昔からこの主題に固執して書き続けてきた。 詩を書き始めたころの 「生きているこ…

不安

恋は想像的なものである。というのは、それを支えるものが直接的な意味で不安であることを意味している。露骨に言うならば生の不安が性の不安に転嫁される。でもそれは本当にそうなのだろうか?恋している人はその不安は、恋における直接的な不安と認知する…

小さな詩

青い魚は君の中から逃げていったよ 抜け殻のように君を残していったけど 君は生まれたままのきれいな身体だったんだ 貝殻は魚についていつでも悪く言っていたけれど みんなが夢中になるのも仕方なかったのさ 海水魚らしい図太さが人を不安にさせるのに 淡水…

疎外が残っている

Τέλος 僕はじわりじわりとにじりよるそれの影に気がついている。生、それは希望をもはや残さないということ。「現在の窮地から抜け出す術はないと言わざるを得ません。」[1]「私はそれについて知りたくない」[2]「思出の片隅でじっとしていればよいのに」[3]…

ラヴ・ミー・テンダー

昨日は朝6:00までやることもないのにだらだら過ごしてそれで今朝は11:30に目をさますつもりが寝すぎて14:00に目覚めることになった。予定は今日も僕に裏切られた。金銭の授受がないとこんなものかと思うが、一対一の予定ならさすがに無意識が僕を起こしてい…

エピクロス

今日は図書館で寝たり読んだりしながら、エピクロスの思想についてスマホで書いていた。その分かりやすさが好きだけど、分かりやすすぎる欠点もある。大体自分が言いたいことは書けて満足した。 人と話をするとき、その内容は重要だけど、あまり重要ではない…

海のない港町

池袋は変だ。一歩踏み入れると新宿や渋谷では醸し出せない特有の寂を感じさせてくれる。長崎を思い出すような寂。海の音のするほうに近づいていくと幹線道路へ突き当り勘違いに気がつく。なのに涼しい潮風が吹いていて、頭が混乱してきてしまう。この匂いは…

先週末書いた散文詩は4篇でワンセット、合計8000文字の大作だ。内容は恋について、片思い、倦怠、別れ、その後になっている。恋についてなのに肝心の恋愛シーンがないが、僕にとって恋愛の本質は片思いであり、あるいは多少の倦怠をどう暮らすかという…

天国への扉

死にたい死にたいと言う気持ちの中に時々、遠くに行きたいという思いが混じるようになった。死にたいという願望は、もともと遠くに行きたいという願望のラジカルな形態で、それが次の形態に移るとしたら、遠くへ行きたいという形になるんだと思う。遠くへ行…

殆ど果てしない眠り

僕はもう冬と同じ服装で外に出ている。12月からスペインに行ったときは暑さに強い白人に暖房が効きすぎだと怒られたが、あれは日本人でも叱られたくらい効かせていた記憶がある。彼らが常用している蛇腹式で中にお湯を通すタイプのヒーター。あれは殆ど暖を…

もう春を待つ

目が覚めたら午後二時で、目覚まし時計をかけなかったらこのくらいは寝るんだなと懐かしい気持ちになっていた。それから何もしない時間が続いて気がつけば午後十一時になっていた。猫と寝ていた午後六時から午後九時の時間はとても長い時間のように記憶され…

直喩

今日は歯医者に行った。歯科医が一人、受付が一人でどこか牧歌的な、それでいて妙に丁寧な対応で感じの良い歯医者だった。それで治るというほど甘くはなくて、まだ口の中に多大な違和感を抱えている。 今日本でフォークソングという言葉を使うとあまり良い意…

ささくれだった関係

今朝歯というより唇の痛みで起きれず昨日の午後十時頃から今朝十二時ごろまでずっと寝込んでいた。それから鏡を見ると上唇がパンパンで人相が変わっていて驚いた。その後、鏡の前で上唇をめくりあげてさらに驚いた。青っ鼻どころではないケミカルな真緑の液…

詩と遅刻癖

僕は今日で三連続くらい職場へ遅刻している。今日は珍しく早起きしていたのに、家でバタバタしているうちに一本電車を逃していた。この前あるサイトで自分の詩を集めたものを文庫本サイズで印刷してもらうことにした。冊数は二冊。一冊は保存用。それで値段…