生活する僕の前で容易にその姿を現す幾つかの謎。
その一つが対人関係が億劫さを伴うことの謎であり、
また、魅力的な女性という特権的他者が立ち現れることの謎である。
女性というものは、極めてしぶとい。
権威者の持つ権威というものが容易に失墜する、失望を受けるのに比し、
女性というものは失墜しても良いはずの段階でもまた価値あるものとして回帰してくる。
手に入れれば失墜すると考えるなら、未練というものはどのように解くのか。
それは共に他者像の問題だと僕は爆然と考えてきた。
対人関係の億劫さは恥を代表とする自己像にまつわる不安に由来しており、
女性という謎は明らかに身体像を他者像と混同する視座に基づいているという発想。
女性という問題を扱う限り、女体をその基底に置かなければならない。
女体の神秘。それはそう軽々しく言ってしまうにはあまりに大きな謎である。冗談ではない。