tapanta

考えたこと、詩、などを書く。

直喩

 今日は歯医者に行った。歯科医が一人、受付が一人でどこか牧歌的な、それでいて妙に丁寧な対応で感じの良い歯医者だった。それで治るというほど甘くはなくて、まだ口の中に多大な違和感を抱えている。

 今日本でフォークソングという言葉を使うとあまり良い意味に響かない。あまりにシケた、つまり感傷的なそれが量産されて、しかも今では打ち捨てられてしまったジャンルのように思われている。でも本来の意味でのフォークソングという言葉がどれほど素敵か。ジャック・エリオット高田渡を聴けばそれが良く分かる筈だと思う。

 最近は直喩を濫用した詩を戯れの気持ちで書きなぐっていた。少し腰を据えて書いてみたら直喩だらけになって危機感を抱いた。

 今日は友部正人の「生活が好きになった」というエッセイ集を読み終えた。僕は人と関わる楽しみや億劫さを覚えてから、却って生活が嫌いになり始めている。ホドロフスキーの「エンドレス・ポエトリー」を借りてきていて、明日観ようかと思っている。エンドレスという言葉がそのタイトルで既に肯定的に使われている時点で素敵な映画だということは決定しているように思える。同時に借りたジャファール・パナヒの「人生タクシー」は素晴らしかった。キアロスタミからアイロニーだけを引き算したような特有の冷たさが異様に響いていた。