去年の夏頃からなのだが、ネット上で詩の投稿をしていた。とあるネット最大の詩の投稿サイトが潰れて、詩の投稿先に困っていたから、その代わりにという感じだった。
この手の投稿にあるあるなのだが、自分にとって最高の出来の作品は箸にも棒にもかからないが、次点くらいのものが拾われる。六編送って入選が一つ、佳作が二つ。それだけだったのに、なぜか年間新人をもらった。詳細には、新人賞が一人と、新人が三人選出される。その三人の方。
今年の三月頃に電話がかかってきて、知らない番号だから取らなかったけど、あまりにしつこいので一回取ったら、その旨を伝えられた。それからさらに時間がたって、9月頃賞状と5000円分の図書カードが送られてきた。詩の会に参加する旨言われたけれども、年会費3万円はとてもじゃないが払えないので、断って、それで、おしまい。
一番気に入っていたのに何も言われなかった一遍が次の詩。
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午前の空の落し蓋で
おへその下までちょうど浸った
フェンス内立ち入り禁止みたいに
半永久が約束されている
黄信号で立ち止まっている
キウイの木のような月曜日
クマバチの低空飛行みたいに
死者が牛乳を密輸している
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顔を洗うみたいにグラスが湛えている
不安とは言葉が存在するということ
高級住宅街に迷い込む
このたゆみはどこから始まったんだろう
自然はかどを取るだけで
いつまでたっても磨かない
いつまでたっても磨かれない
水たまりが異様にちいさな靴を履く