tapanta

考えたこと、詩、などを書く。

小さな詩

青い魚は君の中から逃げていったよ

抜け殻のように君を残していったけど

君は生まれたままのきれいな身体だったんだ

貝殻は魚についていつでも悪く言っていたけれど

みんなが夢中になるのも仕方なかったのさ

海水魚らしい図太さが人を不安にさせるのに

淡水魚のようにひらひら逃げ回るんだから

青い魚は君の中から逃げていったよ

水槽のように君の体重を残していったけど

嘘は山火事のような夢を見せていたけれど

真実より素敵なものではなかったということさ

貝殻は君についてひどく真剣に語ってくれたよ

肯定も否定の言葉も使わなかったけど

僕は真剣なのか呆然なのか分からない表情で

貝殻と一日中話をしていたよ

青い魚は君の中から逃げていったよ

恥じらいのように君を残していったけど

君は生まれたままのきれいな身体だったんだ