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MBTIの16タイプ (MBTIを考える-3)

(本記事を読む前にMBTIの四基軸 (MBTIを考える - 2)を読むことを推奨します。)

 

 さて、今回はMBTIへの理解を深めるために、16タイプを簡易的に分析してみよう。ところであえて最初に述べておくが、あくまで人間はすべての型の間をあいまいに彷徨っているのであって、例えば同じENTPの中にも、INTPに近い人や、ESTPに近い人など、様々な性格が考えられる。

 60%Eの人も、90%Eの人も、同じE型として考えられるのがこのテストのおおざっぱさなので、例えばESFPの人でも、極端にエンターテイナー的な性格を持っている人もいれば、INTJのように落ち着いた内省的な性格を持ち合わせている人も混ざっている。よって以下に述べる性格はあくまで、それぞれの性格型の、最も極端な例、典型的な例を挙げている、ということを忘れずに読んでほしい。

 また同時に、実際に人を分析していくと、すべての人はみなそれぞれ別々の傾向を持っている割に、一様に「普通の人」の顔をしているのに気が付くだろう。性質はそうやすやす表に現れるものでもないし、そう極端に現れるものでもないのである。

 

I型の特徴

 I型は本質的に人を必要としていないため、本質的に冷淡な側面を持つ。IxFx型はF型ゆえに高い共感性を持つが、あくまで自らの認める感情についての共感である。理解できなかったり納得できない感情に対しては概して否定的であり、ゆえに共感する相手は限られる。どんな感情であっても認めようと言うExFx型とは同じF型でも本質的に変わってくる。有り体に言ってしまえば、I型の人間は概して、自分が信じるものへの強さ、強烈さ、個性を持っている。人類にとって本当に重要なものはいつでもI型の苛烈さに由来するし、最も害をなすものもまた、I型の苛烈さに由来する。ゆえに、世間では特に混乱が多いが、I型とE型の判定は、外向的であるか内向的であるかではなく、信念・こだわりへの強烈さ、を基準になされるべきである。

 

IxxP 自分の世界をひたすらに追及する

 IxxP型の本質はハッキリ言って他人を気にしないし、交流の価値も認めないわが道を行く性質であり、必然的に孤立しやすく社会で目立ちにくいパーソナリティであると言える。P型ゆえに実行力も少なく、ただ自由を求め、あてどなく彷徨っては、どんな能力も勝ちえない社会的無能力者になりやすい。また、P型ゆえに人に干渉しないため、概して温和に見えるものの、実際はI型ゆえに、自分の世界に立ち入られることを望まない。ExxP型が持つ本質的な温和さ/軽薄さを阻害する妙なこだわりを持ってしまっていると言える。

 IxTP型はSなら外的な、Nなら内的なものに対して思考を深めていく最も知的なタイプと言える。同時にP型特有の実行性、計画性のなさが、物事の達成を阻害することが多くあるだろう。ISTP型は探求する思想家であり、体験を求めて世界へも社会へも出ていく。xSTx型特有の現実主義と奔放なP型のギャップが、うまくいけばイノベーションを生むかもしれないし、うまく行かなければ、社会不適合につながるだろう。植物学者や昆虫学者、たとえばアリストテレスやファーブルがこの型の典型と言える。一方でINTP型はN型ゆえに現実的なものから遠ざかり、P型の特性と併せ最も社会から疎遠な性格型を形作る。哲学者や数学者がその典型である。IxTP型は感情的な問題を意識することも多いかもしれないが、T型ゆえに秩序の重要性も理解していることもあり、本来的に最も必要としているのはJ型のもつ秩序、実行力である。

 IxFP型は、本質的に快楽主義者的なタイプだ。いわゆるヒッピーと呼ばれる性質に近いのが、ISFP型であると言える。ISFP型は体験への欲があるため社会から疎遠にはなりにくいものの、xSFx型は物事を表層的に捉え深入りしない性質であり、ゆえにI型のわりに、自らの真実を握る性質の美点が発揮されにくく、妙な頑固さを持つわりに、何にこだわっているのか、その価値観自体が自分にとって曖昧なままになるだろうという問題点を持つ。一方INFP型は、自らの感情を深めていくために、独自の世界観を深めやすい。一方で体験をさほど重視しないため、INxP型共通の社会からの疎遠さを持つことになる。IxFP型は自分のこだわりを捨てE型の傾向へ妥協していく道を探るのが良いように見えるが、そう簡単な話ではない。

 

IxxJ 自分の正しさを世界に思い知らせる

 IxxJ型の本質は偏屈さ・頑固さである。そもそもI型には自分の信念への強いこだわりがあるが、J型にもすでに存在するものへの固持がある。そうしてIxxJ型はすべての性格の中で最も深い頑迷さを獲得することになる。それは自分の信じるものに従って世界を整理したいという一種の強烈な野望である。ゆえに社会的成功者の中にはこのタイプに属するものも多くいる。特に独善的、独断的な人々である。またxxTJ型は自分の思考を確立したがる傾向から、自分を律する傾向が強くなり、xxFJ型は感情に従う傾向から他者を律する傾向が強くなる。TとFの判定に困るときにはその指針に従うと良い。

 IxTJ型は論理的な根拠を基に身の周りを整理しようとする。ISTJ型はそれがデータや経験だろうが、INTJ型は幾分恣意的なアイディアになるだろう。ただし、xNxJ型の生むアイディアは、独創的なものというよりは、過去に起こった出来事や発想の恣意的な解釈である。

 ISTJ型はN型ほど恣意的でないがゆえに有能な管理者になるだろう。問題が起きにくい性格ではあるが、場合によっては物事の変化についていけず、P型の傾向と妥協したほうが気楽な場面や、社会から孤立してしまいE型と妥協すべき場面が訪れるかもしれない(特に定年後など物理的に人とのかかわりが途絶える場合に)。イチロー長谷部誠のような管理者的一匹狼を思い浮かべてもらいたい。(イチローはINTJと捉えるべきかもしれないが。)彼らは一匹狼ではあるものの、周りと協調する現実性も持ち合わせている。

 INTJ型はINTx型特有の自分の考えを深めていく傾向があるため、J型の中では最も周りへの働きかけが穏やかになるだろう。逆に言えば、一匹狼的に振る舞うタイプになりやすい。中田英寿大谷翔平藤井聡太のようなタイプである。一人で動く場合には有能になりやすいが、人と関わる場合においては恣意的なアイディアを圧しつける独善的な人間、になってしまう可能性があり、S型への妥協を図るのが良いように思われる。

 IxFJ型は、自らの感情をもとにふるまうためある意味で最も独善的であり、正直に言って最も厄介な人間性を持っていると言える。同じことはすべてのxxFJ形に言えるとはいえ、E型は多様性を認めており、少なくとも他者と感情的に折り合いをつけようとする傾向がある。大してIxFJ型にはそれがない。また、TJ型との違いはなによりその情熱的強烈さにある。xxTJ型はJ型とはいえ他者への干渉が穏やかなことが特徴だが、xxFJ型は苛烈であり、それが判定の目安となる。

 INFJ型はIxFJ型の持つ独善性をN型によって発酵させる真の独善性の塊であり、一部では悪魔そのものと呼ばれ、ヒットラーがその象徴として挙げられる。美点はなによりその情熱、IxFJ型のもつエネルギーである。ただその方向性が完全に恣意的なものであるがゆえに危険性も大きい。その意味で芸術家の岡本太郎は、P型というよりも本来的にJ型の特性を感じさせる。芸術家の中でも、積極的な行動性を示すものには、J型の傾向が見られる。芸人の江頭2:50が(自己判定型のテストによってではあるが)INFJの診断を得ていることも、この性格型の傾向を理解する助けになるだろう。

 ISFJ型はN型のように悪魔的に独善的アイディアを深めることはないにしろ、S型の外向性を持つがゆえに、(何度も言う通り、対世界的な外向性はE型よりもS型が担っている)厄介ごとを引き起こす可能性は全16タイプの中で最も多い。しかしながら同時に、マザーテレサのように確信に基づいた悪魔的野心が社会的成功へつながることもあるだろう。男を操る歴史的な悪女(例えば足利義政の妻、日野富子)はほぼISFJ型と見做していいだろう。

 IxFJ型の美点は感情的確信、すなわち情熱にあるため、ある意味でどのような指針も、その悪魔的魅力を損なう譲歩ということになるだろう。また、彼/彼女の抱いている感情が偶然良い方向に向かうならば、その情熱が世界を良い方向へ導くこともまれにあるだろう。だがもし自分の信念に対して道を譲る気になったならば、E型、T型、P型のいずれにしろ、そのどれかに道を譲らない限り、あらゆる人間関係的トラブルと無縁になることはないと思われる。

 

E型の特徴

 I型の本質的な強烈さと比較するとE型は本質的に他者との折り合いを考慮にいれるため安心して付き合いやすい。人がいないと生きていけない、という態勢のために、ひきこもりやニートのようにもなりづらい。しかし同じ理由で、世間的なトラブルに巻き込まれやすいともいえる。E型の本質は特定の価値観へ踏み込まない“底の浅さ”にある。マルチ商法などを巻き起こしたり巻き込まれたりする『騙されやすい』、あるいは『気軽に人を騙す』典型的なタイプはE型である。

 

ExxP型 みんなで自由に楽しく生きる

 P型は他者を決定しようという熱意が薄いため特に付き合いやすい性質である。また、自分の考えを追及しないE型と、自由を求めるP型から、もっともいい加減な性格を形作っている。社交の場で特に話し続ける人達がいれば、この4タイプのどれかだろう。

 ExTP型、特にENTP型は一般に討論型などと呼ばれるが、攻撃的な討論をしやすいのは、独善性の強さ、他者を決定しようという意志からINTJ型、あるいは討論と言う場に引き出されたときのINTP型も当てはまる。

 ENTP型の場合は、自分が真実を握っているという自覚を持たないこと、その浅さに特徴がある。であるがゆえにI型とは違い、討論のどちらのサイドに立つ場合でも同じように相手を攻撃することができる。また、心から討論の重要性を信じていないため、討論が終わってしまえば、話した内容にさして重要性を認めない。それはI型が討論の内容をもとに自らの思想をアップデート、ないし強化しようとする態度とは違っている。ゆえに攻撃性の低いENTP型は討論型というよりは、単に知的で創造的な会話を楽しむ性質にあり、その思考を深めることにはさして興味がないのである。

 ESTP型はよりxSxP型の特徴として、未知の体験を好む"旅人"の形容が似合う性格型であり、さらにESxP型は人との交流を楽しむため、より一般的な旅人のイメージに近いだろう。またxSTx型はデータを論理的に取り込むことができるため思考が安定しやすく、ESTP型は未来志向でもあり起業家と呼ばれることも多い。I型やF型のような暗い情熱も持ちにくく、天才にはなりづらくとも、一般に有能と呼ばれる人間はESTP型に属するだろう。

 ExFP型は社交性の塊であると言える。ExFx型が本来的に社交的性質であるのに加え、P型は他者を管理しようという意識が薄いため、最も付き合いやすい人格だろう。

 ESFP型はN型に特有の、独自の考えを醸していく傾向が薄く、T型の論理傾向、J型の管理傾向を欠いているため、すべてのタイプの中で最も軽薄なタイプとなる。裏を返せば、ESFx型は最も社交的な性格であり、その中でも自由に振る舞うのがESFP型である。

 ENFP型はESFP型ほど活発でないものの、独自の感性を醸しつつも、自分自身の世界を深めるというよりは、いろいろな人の世界を知りたいという、社交的な変人、軽薄な芸術家である。いわゆる「天然キャラ」を地で行くタイプだろう。ENxP型はN型とP型の特性が、自分自身の世界を深める傾向にあるため、本来はI型に近いものの、どちらかというと自分自身の世界に自信がなく、人を頼る、求める傾向があると言える。

 すべてのE型に言えることではあるものの、自分の考えや思いが絶対的なものではないという発想は、社交的には大きな魅力でありながら、孤立してしまったときには大変な欠点にもなる。場合によって、I型の持つ根拠のない自信のようなものが必要になる場面もあるだろう。

 

ExxJ型 みんなが過ごしやすい世界を作る

  ExxJ型は、他者を管理したいという態勢だが、自分勝手にではなく、折り合いをつけるべきだと考えるため、本質的にリーダーの資質を持っている。問題があるとしたら、本質的にカリスマ性を欠いている場合である。ExxJ型は本質的に他者に依拠する人格、要するに他者が存在しないと自分の存在意義を見出せないタイプであるため、ある意味で最も依存的である。先に述べたとおりxxTJ型は自分を律する傾向が強く、xxFJ型は他人を律する傾向が強い。とはいえE型であるため、他人を律すると言っても他罰的になるというよりは、おせっかいになるという印象であり、自分を律すると言っても、独自ルールではなく、社会的価値観に適応しようと試みる傾向にある。

 ExTJ型は、まずESTJ型は一般的な優等生であり、象徴的なのはアナウンサーなどによく見られるタイプである。いかにも優等生すぎるクセの強さを感じる人たちがいるが、概ねこの性格型によるものだろう。逆にS型のあっけらかんとした浅さ、特にxSTx型特有の人の感情を気に介さない性質故に、E型にも関わらず、人を躊躇わず騙す詐欺師の典型が、このタイプに含まれる。ENTJ型はそれよりは機転が効く印象で、社会的理想像そのものであり、比較的、どのタイプとも上手くやっていくことができる万能型であると言える。

 ExFJ型は、他者を感情的にまとめ上げる保護者タイプである。ESFJ型は周りのケアをしたがるおせっかい焼きタイプであり、ESxJ型に共通の、世間の価値観、常識を大事にする傾向がある。ENFJ型はそれよりは独創性、機知があり、主人公タイプと言われたりもする。主人公は脇役よりも個性がない、と言われたりもするが、それはまさにENFJ型、ESFJ型の特徴だろう。J型であるがゆえに他者を放っておくこともできず、まさに身の回りの世界に平和をもたらすことこそが、これらの態勢の目標になってくる。(いわゆる世界平和の野望を持つためには、I型の苛烈さが必要になってくる。いわゆる世界平和を追求しているものがいるとすれば、それは先に「悪魔」だと述べたINFJ型だろう。)

 

まとめ

 さて、以上を読んで先に述べた四基軸への理解が深まっただろうか。E型は社交的である、ということも事実であるが、自立できない、という欠点として捉えることもできる。T型は論理的に整然としているが、感情的に未熟であることも多い。この通りすべての性質には表と裏があり、どれが良いとはっきり言うことはできない。だが人生における問題はそれらの極端さに基づくことが多いために、自らの極端さを参照して、どのように自分を変えていけるか、考えることには価値があると思われる。そしてそのように自分を変えていく過程には、文中で述べたように、得るものと同時に失うものも多くある。I型がE型の長所へ憧れるときには、E型へ移ることで失わなければならない多くのものが同時に存在するのである。逆に言えば、そのことへの忌避感がその人の性質を維持させているともいえるために、自らの美点を犠牲にすること、例えばI型なら自らの考えの信頼を打ち捨てることで、自分を変えていくことができるだろう、ということが言える。とはいえ、根本的な価値観が人をその態勢に縛り付けている、いうなれば、「とり憑かれている」のだから、それを変革するのは容易なことではない。

 

追記

 

IxxP,IxxJ,ExxP,ExxJの外側が性格の傾向を決めるのに対し、内側のxNTx,xSTx,xNFx,xSFxが認知処理の傾向を決める。NT型は最も鋭い見方をするタイプで、N型ゆえに感情のような抽象的なものも考慮に入れる。ST型はもっとも論理的であり、感情論が苦手な弁護士タイプ。NF型は独自の価値観で世界を洞察していく詩人タイプであり、SF型は物事を最も素直に見る天然タイプと言える。